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「歯周病」という言葉をよく聞くと思いますが、「歯周病」と「歯肉炎」と「歯周炎」の違いについて詳しく説明できる人は意外と少ないかもしれません。そこで今回、これらの病気の違いに焦点を当てて解説いたします。

■歯肉炎と歯周炎は歯周病の一部?

歯周病

歯周病は、口内の細菌が引き起こす歯茎や顎の骨に影響を与える炎症性の疾患です。この病気は主に「歯肉炎」と「歯周炎」の二つの段階に分類されます。初期段階の歯肉炎は放置すると歯周炎に進行し、これは歯周病のより深刻な形態です。歯周炎はさらに「軽度」「中度」「重度」という三つのレベルに細分化されます。

これらの段階を順に並べると、歯肉炎から始まり、軽度歯周炎、中度歯周炎、そして重度歯周炎へと進行していくことになります。これら全ての状態を総称して「歯周病」と呼びます。

■歯肉炎と歯周炎の違いとは

歯肉炎と歯周炎の違いを区別するためには、炎症の範囲が重要な指標となります。歯肉炎は歯茎の炎症に限定されている状態ですが、炎症が顎の骨にまで及ぶ場合は歯周炎と診断されます。ただし、外見や自覚症状だけで判別するのは難しいため、歯科診療では「歯周ポケット検査」を用いて炎症の進行度を確認します。

歯周ポケット検査では、歯と歯茎の間に形成される歯周ポケットの深さを測定します。この深さによって歯周病の進行具合が評価され、3mm以内であれば歯肉炎、3mmを超えると歯周炎の可能性が考えられます。

【歯周ポケットの深さによる歯周病の進行段階】

・3mm以下:歯肉炎

・3mm以下でも骨が僅かに溶け始める場合:軽度歯周炎

・4mmから5mm:中度歯周炎

・6mm以上:重度歯周炎

■歯肉炎の症状

歯肉炎の主な症状には、歯茎の赤みや腫れ、歯磨き時の出血が含まれます。この初期段階では、日々の適切なブラッシングによって状態が改善することが多いです。しかし、もし症状が改善しない場合は、ブラッシング方法に問題があるか、病状が歯周炎に進行している可能性があります。

■歯周炎の症状

歯周炎は、単なる歯茎の炎症を超えて、顎の骨にまで影響を及ぼす深刻な状態です。歯肉炎からの進行で、膿の排出、悪臭の発生、歯が目立って長く見える現象、歯がぐらついてしまう症状などがあります。これらの症状が顕著になると、治療を怠ると最終的には歯失ってしまう恐れがあります。したがって、歯周炎まで進行してしまった場合、自宅でのケアだけでは不十分であり、専門的な歯科治療を受けることが必要とされます。

■まとめ

歯周病は歯肉炎と歯周炎という二つの主要な段階に分けられ、それぞれの症状や治療法が異なります。初期の歯肉炎は適切なブラッシングで改善が見込めますが、炎症が顎の骨まで進行した歯周炎になると、専門的な歯科治療が必要となります。早期発見と適切なケアが、健康な歯を維持するための鍵となりますので、定期的な歯科診察をお勧めします。

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